2008年2月28日木曜日

いっぱいいっぱいになった時にどうするか。


今日は、Half day back(最後に説明があります)の日でした。

今日のCase of the Day(最後に説明があります)で、
初期研修医1年目のH先生が出してくれた疑問は、
「いっぱいいっぱいになった時にどうするか。」

H先生は、ある患者さんの健康診断を担当したのですが、
話がうまくかみ合わずに、イライラしてしまったそうです。
「何とか、イライラを出さずに診察は終えられたのですが、
 こんなときどうしたらよいのでしょうか。」

今日のCase of the dayの参加者は、

後期研修医1年目のS先生、M先生
初期研修医1年目のS先生、H先生、M先生
でした。

この6人で話し合ったのですが、まず、状況を聞くと、
(1)N病院で研修している科で、静脈のルート確保がうまくいかない、
(2)N病院の全医師が集まる会で、Case presentation(最後に説明があります)
 をすることになっているが、準備が進んでしない、
(3)子供が生まれたのでいろいろと書類を書かなきゃいけないのだが、
 進んでいない
といったことがあったそうで、そこに、
(4)うまく話がかみ合わない
が加わって、
「表面張力を越えて、水が溢れてしまった。」
とH先生は話してくれました。

それからは、他の参加者が、自分ならこのような状況で、どのように、
対処するのかとか、話が進みました。

私からは、イライラしてしまったのは、H先生だけの問題ではないことも
言及しました。
つまり、私であれば、イライラはしなかったと思うからです。
それは、以前から、私はその患者さんを知っており、耳が聞こえにくい
ことやその他いくつかの理由で、「コミュニケーションをとるには時間がかかる」
ということがわかっているからであり、自分で、健康診断の予約を入れたからです。
だから、診察の前情報として、私が説明を加えていれば、H先生が
イライラを感じなくて済んだかもしれないと話しました。
つまり、自分の指導医としての配慮がなかったことも反省しました。

このようなストレス・マネージメントは、とても大切なことなのですが、
医学生の間に学ぶ機会はないですし、初期研修医の間も学ぶ機会は
私はありませんでした。

そのため、このような内容は、参加者が、それぞれの経験を話したりするだけで、
終わることが多いのですが、今回は、ちょうど、今、発売されている日経ビジネス
associeの特集が、「ハートを強くする めざせ!メンタルタフネス」でしたので、
その内容も紹介しながら、話を進めました。

やはり、文献があると、参加者の経験だけに依存せずに済むので、いいですね。

その日経ビジネスAssocieですが、
『タイプ別「陥りやすいストレス」』という記事があって、アンケートに答えると、
自分が、どのようなタイプなのかと言うのがわかるのですが、私は、悲しい結果
でした。

A.モーレツ社員タイプ
B.そこそこ無理せず暮らしているタイプ
C.周りに合わせてガマンするタイプ

と分けられていたのですが、私は、
Aの6項目中5項目に当てはまり、
Bの6項目中0項目に当てはまり、
Cの6項目中5項目に当てはまりました。

つまり、A+Cという、一見矛盾する2つのタイプに当てはまったのです。
それぞれ、改善点も書いてあったのですが、納得できる内容で、
今後気をつけようと思ったのですが、Bの説明を読んでみると、
改善点などは書いておらず、なんと、「Bは業績を上げる人に多いタイプ」
と書かれていたのです。

ガーン!!!

私、Bの項目は1つも当てはまるものがありませんでした・・・。
「仕事をしているはずなのに、成果が出ていない気がする」
というのは、実は、自分の性格のせいなのかもしれません。

早速、この記事を書かれた熊野宏昭先生の『ストレスに負けない生活』
(ちくま親書)を購入しました。

Half day backとは、
我々が初期研修医1年目の先生に提供する週に1回、午後半日の
クリニックの家庭医療科での外来や訪問診療の研修です。
Case of the Dayとは、
その日の研修で、疑問に思ったことや心が動いたことなどを
話し合う時間です。
Case presentationとは、
自分が経験したことを文献などを調べて掘り下げていき、
そこで学んだことを他の医師と共有するために、発表する
ことです。

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