2011年5月8日日曜日

成功の秘訣 六十六翁 内山鑑三

なぜ、社員10人でもわかり合えないのかで、小宮山社長が紹介して下さっていた内山鑑三氏の成功の秘訣。
「私は悩んだら、いつもここに立ち返る。」とのことで、僕もまとめておきたいと思いました。

一、自己に頼るべし、他人に頼るべからず。
一、本を固うすべし、然らば事業は自づから発展すべし。
一、急ぐべからず、自働車の如きも成るべく徐行すべし。
一、成功本位の米国主義に倣ふべからず。誠実本位の日本主義に則るべし。
一、濫費は罪悪なりと知るべし。
一、能く天の命に聴いて行ふべし。自から己が運命を作らんと欲すべからず。
一、雇人は兄弟と思ふべし。客人は家族として扱ふべし。
一、誠実に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。
一、清潔、整頓、堅実を主とすべし。
一、人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば何の益あらんや。人生の目的は金銭を得るに非ず。品性を完成するにあり。

2011年4月30日土曜日

【読書感想】日経トップリーダー編『なぜ、社員10人でもわかり合えないのか』

 看護師面談をする中で、いろいろな問題点を聞くことができて、コミュニケーションの難しさを感じていたときに出会った一冊が、なぜ、社員10人でもわかり合えないのかでした。

 普段からお世話になっている鏡(例えば、飛行機の荷物入れの鏡)を作成しているコミーという会社のお話で、第1章の会社の紹介だけでも、とても興味深く読めたのですが、第2章、第3章と読み進めていくうちに、自分が悩んでいたことに答えてくれる内容なので、またまた、一気に読み終えました。

 クリニックの運営にも応用できる内容がたくさんありましたし、改善のアイデアがたくさん出てきて、至福の時間を過ごせました。

 【明日から自分が気をつけたいこと】
 ・「小さな組織でもコミュニケーションはとりにくい」ことを自覚する。
 ・大切なことはしつこいくらいにくり返し伝える、または、伝えてもらう。
 ・「なぜ?」を聞く。
 ・スタッフ本人から働きやすさについて話を聞く。
 ・「誤解は生じうる」ことを自覚する。
 ・思い立ったら、即修正する。
 ・スタッフに「ドンドン変わる」ではなく、「ドンドン良くなっている」と思ってもらえるように工夫する。
 ・「我々は何を提供したいのか」ではなく、「受療者は何を求めているのか」を考える。
 ・得手に帆を上げ。
 ・苦手なことは苦手と伝える。
 ・ロボットにならない。
 ・慣れる前に考える。
 ・「過去・現在・未来」を貫く。
 ・「無所属の時間」を実践する。
 ・内村鑑三氏の「成功の秘訣」を3週間は毎日声に出して読む。
 
 【明日からクリニックで取り組みたいこと】
 ・院内用語集作成。
 ・月1回の土曜会議(まずは提案してみよう・・・)。
 ・マニュアル作り(完成品でなくてよくて、使いながら修正する)。
 ・診察順を徹底する。
 ・スタッフにペンとメモ帳を渡し、メモをとってもらう。
 ・どんなに小さな問題でも、見つけた人が『大騒ぎ』するように徹底する。
 ・プロセスを物語風に書き残す。
 ・受療者の方にブログを紹介し見てもらう。最終的には要望ももらう。
 ・慣れてない人にもわかるシステム作りをする。
 ・看護師の負担を減らすために外部の方に協力してもらえる部分は協力してもらう。
 ・面会者の方が来たら、存在感のあるフラッグを診察室においてもらう。
 ・院外で心電図をとるときには、看護師と受療者(介護者や家族も含む)でIDを確認する。
 ・全体会議(スタッフ全員参加)で発表する内容を絞る。
 ・朝会で報告する項目に「訪問看護からの連絡メール」を追加する。

 【家庭では・・・】
 ・家庭内用語集を作ってみる。

せっかく思いついたので、列挙してみました。
普段からよく考えてらっしゃる方がご覧になったら、たいしたことないアイデアかもしれませんが、今自分では実行できていないので、まずは実践してみたいと思います!

2011年4月17日日曜日

NHK マイケル・サンデル教授特別講義「大震災後の世界をどう生きるのか」

 昨年末、NHK DVD ハーバード白熱教室 DVD BOX [DVD]を購入し、視聴してから、その講義のスタイルのファンになっていたマイケル・サンデル教授。

 昨日、「大震災後の世界をどう生きるのか」という特別講義がNHKで21時から放送されました。

 私が出演者の方と大きく意見が異なったのはジャン・ジャック・ルソーの言葉が紹介されたところです。

 「人道主義の精神は世界全体に広がると薄まり、弱まってしまう。私たちヨーロッパ人は日本で起きた災害に、ヨーロッパを襲った災害と同じだけの衝撃を受けるわけではない。」

 私は全くその通りだなと思いました。私自身も今回の東日本大震災で受けた衝撃はスマトラ島沖地震よりも大きかったです。

 今、ビジネスブックマラソンというメールマガジンで、土井英司さんが、【BBM:偉人に学ぶ、建国の精神】という題名で紹介して下さった、マッツィーニ 人間の義務について (岩波文庫)を読んでいます。

 この本には第1の義務として人類に対するものと書かれています。つまり、人類に対する義務が最も重要であるということなのです。

 「同じだけの衝撃を受けるわけではない」からこそ、人間の義務として、人類に対する義務を意識することが大事なんだと私は思っています。

 しかし、ルソーが生きていた時代と違うのは、世界のことを知る手段が増えていることにあると思います。文字で伝えられる情報よりも、映像や音声で伝えられる情報量が多く、その情報が与える衝撃が変わってくるからです。

 そういう点では、作家の石田衣良さんが

 「もし、ルソーが今生きていたら、YouTubeで津波のムービーを見てこれは世界の果てのことではなくて、自分の隣で起こったことだと思ったと思います」

 と発言されたのも納得です。

 より身近に思えるようになったからこそ、祖国のことを考える前に、人類への義務を考える必要があるのではないかと思います。