昨日、「大震災後の世界をどう生きるのか」という特別講義がNHKで21時から放送されました。
私が出演者の方と大きく意見が異なったのはジャン・ジャック・ルソーの言葉が紹介されたところです。
「人道主義の精神は世界全体に広がると薄まり、弱まってしまう。私たちヨーロッパ人は日本で起きた災害に、ヨーロッパを襲った災害と同じだけの衝撃を受けるわけではない。」
私は全くその通りだなと思いました。私自身も今回の東日本大震災で受けた衝撃はスマトラ島沖地震よりも大きかったです。
今、ビジネスブックマラソンというメールマガジンで、土井英司さんが、【BBM:偉人に学ぶ、建国の精神】という題名で紹介して下さった、マッツィーニ 人間の義務について (岩波文庫)
この本には第1の義務として人類に対するものと書かれています。つまり、人類に対する義務が最も重要であるということなのです。
「同じだけの衝撃を受けるわけではない」からこそ、人間の義務として、人類に対する義務を意識することが大事なんだと私は思っています。
しかし、ルソーが生きていた時代と違うのは、世界のことを知る手段が増えていることにあると思います。文字で伝えられる情報よりも、映像や音声で伝えられる情報量が多く、その情報が与える衝撃が変わってくるからです。
そういう点では、作家の石田衣良さんが
「もし、ルソーが今生きていたら、YouTubeで津波のムービーを見てこれは世界の果てのことではなくて、自分の隣で起こったことだと思ったと思います」
と発言されたのも納得です。
より身近に思えるようになったからこそ、祖国のことを考える前に、人類への義務を考える必要があるのではないかと思います。
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