2008年6月4日水曜日

世代を超えた家庭医の交流

 日本家庭医療学会のメーリングリストで、理事でいらっしゃるある先生が投げかけたスレッドが盛り上がっています。
 私は、今、家庭医としての第1歩を歩み始めた全国の後期研修医達の将来を見据えたその先生の発言の中に、次の時代の家庭医療を見据えた温かいまなざしを感じて、嬉しくなりました。
 始まったばかりの後期研修プログラムとはいえ、その期間は、3年間。その3年間は、あっという間に、過ぎてしまい、家庭医としては、まだまだ未熟なまま、巣立っていきます(少なくとも、私はそうでした)。
 そして、その後、1か所の診療所で長く働くといった経験を通して、まさに、研修が終わったあのときが、家庭医としての第1歩を踏み出したときだったと気づくのです。
 私も、HCFMの4年間の研修を終えて3年になりますが、継続性という家庭医療の醍醐味を味わい、研修を終えて1人前になれたと思っていたあのときこそ、1人前の家庭医になるための第1歩を踏み出したときだったんだと痛感しています。
 この3年間は、日々の臨床で悩んだり、自分の未熟さを感じたりすることもまだまだ多く、前を行く先輩の話を聞きたいと思うこともありましたので、今回の理事の先生のご提案は、非常にありがたいものだと思っています。
 最近のうちの後期研修医は、そんな我々の姿を見て育っているからか、先輩であるベテラン家庭医のところに、選択研修でお邪魔するものもいます。
 その中で、プライマリ・ケア学会の評議員でいらっしゃる矢吹清人先生を師事した研修医がいるのですが、そのときのことを、矢吹先生が、ご自身のブログで、紹介して下さっていました。
 そのブログの中で、
「若い医師に自分の医療のエッセンスを伝えることも、クリニックを医学研究のために開放することも、これからの町の医者のつとめと考えている。」
というお言葉を見つけ、このように、応援して下さる先輩家庭医がいらっしゃることがとてもありがたく思え、幸せな気持ちになれました。
 こんな風に、世代を超えて、「みんなで一緒」に、日本の医療をよりよいものにするために、働きたいものです。

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