「何かあったら、まず、私(家庭医)にご相談下さいね。」
診察の最後に、このようにお話しすることがあるのですが、「この言葉は、本当に、患者さんのためになるのか?」と疑問を感じる出来事もあります。
例えば、高血圧などの慢性疾患があり、私に定期受診していただいている患者さんが、高熱で受診されて、肺炎と診断したとします。
『これは入院が必要だ!』
と思ったときに、今の私の働く環境では、入院施設がないので、どうしても、他院に入院をお願いすることになります。
そのときに、「うちは、満床ですから、他を当たって下さい。」と断られることがありまして、そんなときに、『私を通して、入院の相談をしたために、この患者さんは入院を断られてしまったのではないか。』と思ってしまうんですね。
つまり、直接その病院に受診されて、『これは入院が必要だ!』となれば、何としてでも、入院させてもらえるのではないかと・・・。
そうなると、上記の
「”何かあったら、まず、相談して下さい”は、患者さんのためになるのか?」
と思ってしまうのですよね。
昨日の週刊医学界新聞の寄稿の中で、「プライマリ・ケア外来は完全予約制,急性疾患は救急に送る」というところを読んでいたら、日本以外の国では、患者さんは、「『何かあったら、まず、家庭医へ』と説明されているのか?」や、「『家庭医が入院だと思っても、入院施設の事情で入院が断られる』というようなことが問題になっていないのか?」など、疑問が出てきました。
WONCA(世界家庭医療学会)に参加する機会があったら、他の国の家庭医の先生方に聞いてみたいですっ!
1 件のコメント:
連続投稿、申し訳ない。
少なくとも、英国NHSではかっちり分かれていますね。
日本の「当日予約」ないしは、「予約外受診」といわれるような、その日に飛び込んで来る患者さんというのは、基本的に英国ではA&E(Accident & Emergency)つまり、救急外来に行くことになります。外来は完全予約制で、入院が必要な場合には、GPからその地域の指定された二次病院へあるいはA&Eへ転送という形になります。
専門医の診察が必要な時にも、専門医のいる病院の予約をGPから紹介という形でとることになります。
GPの受診も、もちろん予約制で、早くとも1-2週間先ということになることが多いようです。それを48時間以内に医療者へのコンタクトを!みたいな目標を立てています。(専門医への紹介は、18週間以内が目標みたいな話も聞こえてきますが、、)
今現在は、GPからの紹介先はすべて固定されていますが、この春から患者さんの「Choice」に任されることになっています。(つまり、Manchesterの患者さんが紹介でLondonに行くってこともあり得る。)GPはこの動きにかなり反対しているようです。
日本のAccessibilityが、もしかしてあまりにもよすぎるんじゃないか、なんて思ったりします。
まずは、こちらにかかってくださいというのは、1次から2次への連携の問題ですよね。それ以外の、予防医療やアセスメントを考えると、決して悪いアドバイスではないような気がします。
コメントを投稿